この記事では、新築のニッチで後悔する失敗事例5選を解説します。
新築でのニッチは、デザイン性や収納力をアップさせる人気のアイデアです。しかし、計画の段階でよく検討せず、使い勝手や見栄えに後悔するケースも少なくありません。
実際に暮らし始めて後悔しないためには、失敗事例とその対策を知っておくことが重要です。
この記事では、新築のニッチでおしゃれな空間を実現するポイントも解説します。新築で使いやすくデザイン性の高いニッチを設置したい人、ニッチで失敗したくない人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】 ● 新築でニッチを設置して後悔した失敗事例 ● 新築にニッチを採用するメリット ● おしゃれな新築を実現できるニッチの設置場所・アイデア |
そもそもニッチとは?
ニッチとは、住宅の壁面に設けられた小さな収納や飾り棚のことで、元々は限られたスペースを有効活用するために使われてきました。特に玄関や廊下、リビング、トイレなど、家具を置きにくい場所やすっきりとした収納を求める場所でよく見られます。
ニッチの特徴は、壁の一部を凹ませてスペースを確保する点です。部屋の広さを犠牲にせず、収納やディスプレイのスペースを増やすことが可能です。
またニッチはデザイン性も高くインテリアの一部として使えるため、住まいのアクセントとしても活用されています。
新築でニッチを設置して後悔した失敗事例
ここでは、新築でニッチを設置して後悔した失敗事例をご紹介します。
- 置きたいものが特になかった
- 置きたいものとニッチのサイズが合わなかった
- 設置した場所が使いにくかった
- 掃除する際に手間がかかった
- ボードや壁紙との接着面に不具合が発生した
順番に見ていきましょう。
置きたいものが特になかった
便利だと思いニッチを設置したものの、実際に使い始めてみると置きたいものが特になく、結局空っぽのままになってしまうケースが見られます。
特にリビングや廊下に飾り棚として設置する場合、何を飾るか決めていなかったと後悔することも少なくありません。ものを置かないまま放置すると、単にスペースを無駄にしてしまったと感じることもあります。
置きたいものとニッチのサイズが合わなかった
ニッチを作る際に事前に置きたいものを具体的に決めていないと、サイズが合わずに後悔するケースも少なくありません。
例えば、玄関に鍵や郵便物を置くつもりで設置したものの、実際に作ったニッチが小さすぎたり大きすぎたりして、使い勝手が悪い事例があります。
また、飾り棚として作ったニッチが思ったより狭く、飾りたい写真立てやオブジェが置けなかったという声も聞かれます。
設置した場所が使いにくかった
ニッチを設置したものの、場所が使いにくく後悔するケースがあります。
例えば、玄関に設置したニッチが動線に干渉してしまい、ものを取り出すのに不便だったり靴の脱ぎ履きがしづらくなったりすることがあります。
リビングに設置した場合でも、ソファやテレビ台などの家具との位置関係が悪ければ、使いにくさを感じるでしょう。ソファに座ったときにニッチが視界に入って落ち着かないと感じることもあれば、飾ったものが目立ちすぎてインテリア全体のバランスを崩すことも考えられます。
掃除する際に手間がかかった
ニッチは壁面の凹んだスペースであるため、埃や汚れがたまりやすく掃除が面倒になることがあります。毎回飾っているものを動かして掃除しなければならないため、そのたびに手間を感じるでしょう。
またトイレや洗面所などの狭い場所に設置されたニッチは手が届きにくく、掃除道具を使ってもなかなか綺麗にならないと不満を感じるでしょう。
日常的に掃除しにくい部分が増えることで、結果的にストレスとなり後悔することもあります。
ボードや壁紙との接着面に不具合が発生した
ニッチを設置した後に、壁紙やボードとの接着面に不具合が生じるケースも少なくありません。
例えば、壁紙が時間とともに浮いてきたり壁紙の接着が不十分で隙間ができたりすると、見栄えが悪くなります。デザイン面での美しさが損なわれるだけでなく、修繕に時間やコストがかかるのは大きな問題です。
特に湿気の多い場所や使用頻度の高い場所にニッチを設置すると、湿気や温度変化によって壁紙が剥がれるリスクも高まります。トイレや洗面所でトラブルが起こると、見た目の悪さだけでなく、壁の耐久性にも影響が出るでしょう。
新築にニッチを採用するメリット
ここでは、新築にニッチを採用するメリットを解説します。
- 空間がさらにおしゃれに見える
- リモコンやスイッチが1ヶ所にまとまる
- 壁面を有効活用できる
上記のメリットを順番に見ていきましょう。
空間がさらにおしゃれに見える
ニッチを設置することで、壁面に奥行きが生まれ部屋全体がさらにおしゃれな印象になります。
例えばリビングにおしゃれな写真や小物を飾るためのニッチを作れば、シンプルな壁にアクセントがついてデザイン性が高まります。廊下のニッチにデザイン雑貨を設置すれば、単調になりがちな廊下もおしゃれに仕上がります。
ニッチは、小さなスペースでありながらもインテリアとしての役割を果たし、家全体をおしゃれな雰囲気にしてくれるでしょう。
リモコンやスイッチが1ヶ所にまとまる
リモコンやスイッチが複数あると見た目が雑然としてしまうことがあります。ニッチを利用して1ヶ所にまとめることで、すっきりとした印象の空間になるでしょう。
例えばリビングの壁にリモコンや照明のスイッチをまとめたニッチを作れば、家電や設備の操作が一目でわかり使いやすさも向上します。
配線が見えにくくなり壁がすっきりした印象になるため、エアコンや照明のリモコン、スイッチを集約したニッチはおすすめです。
壁面を有効活用できる
家具や収納を置くスペースが限られている場合、ニッチを壁面に作ることでデッドスペースを有効活用できます。
特に玄関やトイレなど、広さが限られる場所でニッチを採用すれば、スペースを節約しながら収納を増やすことが可能です。
玄関に鍵や郵便物を置くためのスペースとして、トイレにトイレットペーパーや洗剤を収納するためのスペースとしてニッチを設置すると良いでしょう。
新築のニッチで後悔しないためのポイント
ここでは、先述したような新築のニッチでの後悔をしないためのポイントを解説します。
- 家族で話し合って用途を考える
- 置きたいものを明確にしてからデザインする
- 動線や家具の配置を考慮する
- 掃除の手間がかかりにくくする
順番に見ていきましょう。
家族で話し合って用途を考える
ニッチを設置する前に、家族全員で用途について話し合うことが大切です。
家族のライフスタイルやニーズに合わせてどこにどのような目的でニッチを作るかを考えることで、無駄なく使えるスペースを作れるでしょう。
例えばリビングで家族が集まる時間を大切にしている場合は、ニッチを思い出の写真や小物を飾るスペースにするといった使い方が考えられます。
玄関やトイレ、洗面所であれば日常的に使う小物を収納するスペースにすると良いでしょう。
置きたいものを明確にしてからデザインする
ニッチのサイズやデザインは、事前に置きたいものを明確にすることで最適な設計ができます。
置きたいものが決まっていないままニッチを作ると、サイズが合わずに使いにくくなってしまうケースが少なくありません。飾り棚として使う場合は飾るものの小物のサイズ、収納スペースとして使う場合は収納したいアイテムのサイズを考慮して設計しましょう。
例えば、鍵や郵便物を収納する場合は奥行きのあるニッチを設計したり、写真立てや小物を飾る場合は飾るものに合わせて高さと幅を調整したりすることをおすすめします。
動線や家具の配置を考慮する
ニッチの設置場所を選ぶ際は、生活動線や家具の配置を考慮することが重要です。
動線に干渉する場所にニッチを設置すると、ものの出し入れが不便になったり家具の配置が制限されたりすることがあります。
特に玄関では靴の脱ぎ履きを邪魔しない場所に、リビングではソファやテレビ台の配置に合わせて物を取り出しやすい場所にニッチを設置すると良いでしょう。
掃除の手間がかかりにくくする
ニッチは掃除がしにくい部分になることが多いため、設計段階で掃除の手間を軽減できるように工夫することも大切です。
例えば手が届きやすい高さにニッチを設置することで、日常的な掃除の手間を減らせます。またニッチに飾る小物は動かしやすいものを選ぶことで、掃除の際にストレスを感じることがなくなるでしょう。
おしゃれな新築を実現できるニッチの設置場所・アイデア
ここでは、おしゃれな新築を実現できるニッチの設置場所・アイデアについて、施工事例を紹介しながら解説します。
- 玄関周り
- 寝室のベッドサイド
- キッチンの立ち上がり
- トイレ
- 照明とニッチの組み合わせ
順番に見ていきましょう。
玄関周り
家に入って最初に目に入る場所である玄関にニッチを設置することで、第一印象がさらに良くなります。
季節感のある飾りや植物を飾ることで、訪れる人におしゃれな印象を与えることが可能です。また、鍵や郵便物を置くスペースとして、靴べらや折りたたみ傘の収納スペースとして利用するのも便利です。
ここでは玄関にニッチを設けた施工事例をご紹介します。
<【施工例】自然と家族が繋がる家(高崎市)>
玄関のコーナーにニッチを設けることで、飾り小物を置けるスペースが生まれました。また、単調になりがちな玄関がおしゃれに仕上がりました。
飾り小物を設けてもスペースに余裕があるため、家や自動車の鍵を置いておけるのも便利なポイントです。
寝室のベッドサイド
寝室のベッドサイドにニッチを設置すれば、スマートな収納や飾り棚として活用できます。
小さな照明や目覚まし時計、本を置くスペースとして設ければ、サイドテーブルを置かなくても困らない空間になります。デザイン性を考慮したニッチにすれば、寝室全体の雰囲気もおしゃれになるでしょう。
ここでは寝室にニッチを設けたおしゃれな施工事例をご紹介します。
<【施工例】プライベートな中庭のある平屋の家(伊勢崎市)>
※出典:プライベートな中庭のある平屋の家【伊勢崎市】|翼創建
ブラウンを基調とした床や壁にネイビーのベッドを設置することで、落ち着きのある大人っぽい印象のある空間を実現しています。
枕元に設けたニッチは、目覚まし時計やアイマスクといった、寝る際に使用するアイテムを置くのにぴったりです。
寝る前に読んだ本や使ったスマートフォンを置く場所としても優れています。
キッチンの立ち上がり
キッチンカウンターの立ち上がり部分に設置するニッチは、調味料やカトラリーを収納するスペースとして非常に便利です。
立ち上がりとは、キッチンから垂直に設けた15〜25cmの壁のことを指します。
立ち上がりの壁に沿って設置するケースが多いダイニングテーブルに合わせて、ニッチも設けたい人は多い傾向にあります。
立ち上がりのニッチに調味料やお箸、カトラリーを置けば、食事前や食事中にわざわざキッチンまで取りに行く手間が省けるでしょう。
トイレ
トイレは限られたスペースの中で、収納を確保することが求められる場所です。ニッチを設置することで、トイレットペーパーや清掃用具を収納するスペースを確保でき、すっきりとした見た目を保てます。
また飾り小物や植物を置くことで、トイレの雰囲気を明るくする効果もあります。
ここではトイレにニッチを設けた施工事例をご紹介します。
<【施工例】満ちる家(高崎市)>
※出典:満ちる家【高崎市】|翼創建
ニッチに設置した花瓶とディフューザーを、ニッチ上部の照明で照らしています。間接照明とニッチ照明の相性は抜群で、さらに心地良い空間に仕上がっています。
照明とニッチの組み合わせ
ニッチに照明を組み合わせることで、空間に奥行き感を持たせ、さらにおしゃれな雰囲気を演出できます。
例えば間接照明をニッチに設置すれば、夜間でも柔らかな光でおしゃれな空間を演出できるでしょう。玄関やリビング、廊下など、暗くなりがちな場所に照明付きのニッチを設置すれば、機能性とデザイン性を同時に高められます。
ここでは、照明とニッチの組み合わせた施工事例を2つご紹介します。
<【施工例】あおのうた>
※出典:あおのうた|翼創建
この事例では、玄関に入ると正面からニッチ照明が出迎えてくれます。間接照明として玄関全体をおしゃれな雰囲気に仕上げています。
<【施工例】中庭を囲む、勾配天井のある平屋の家(足利市)>
※出典:中庭を囲む、勾配天井のある平屋の家【足利市】|翼創建
洗面化粧台周りのニッチを三段構造にすることで洗顔アイテムなどを置けるようになっており、使いやすさが工夫されているのが特徴です。
ニッチ上部に置いたアイテムを照明で照らすことで、おしゃれな洗面空間に仕上がっています。
新築のニッチに関するよくある質問
ここでは、新築のニッチに関するよくある質問に回答します。
- 新築のニッチはいつまでに決めて伝えたらいい?
- 設置したニッチがダサいと感じてしまう理由は?
- ニッチは後付けすることも可能?
疑問の解消にお役立てください。
新築のニッチはいつまでに決めて伝えたらいい?
ニッチの設置は、新築の設計段階でできるだけ早めに決めることが重要です。
具体的には、壁や構造に手を加える必要があるため、建築の初期段階の間取りや配線の設計が始まる前に決定するのが理想的です。
設置を後から希望する場合、追加の工事費用がかかったり、設置場所の自由度が減ったりする可能性があります。
設置したニッチがダサいと感じてしまう理由は?
設置したニッチが思ったよりダサく感じる理由として、デザインの一貫性や使い勝手が考慮されていなかったことが挙げられます。
例えば、部屋全体のインテリアと調和しない色や材質を選んでしまった場合、ニッチだけが浮いてしまうでしょう。
また、ニッチが大きすぎる場合や設置場所が適切でない場合は、デザイン性が損なわれて使いにくい印象になることもあります。
ニッチは後付けすることも可能?
ニッチは後付けすることも可能です。ただし後付けの際には以下の注意点があることを理解しておきましょう。
- 構造に影響がない部分でのみ設置できる
- 既存の配線や配管に干渉しないようにする
- 仕上げに壁紙の貼り直しや塗装が必要になる
後付けを希望する場合は、専門家に相談して安全性と施工の可否を確認することが重要です。
新築のニッチで後悔しないために失敗事例を知っておこう
この記事では、新築のニッチで後悔した失敗事例について解説しました。新築のニッチで後悔しがちなポイントを避けるためには、事前に計画を立てることが大切です。
ニッチはデザイン性や収納機能を向上させるために採用されますが、設置場所やサイズによっては使いにくさを感じることもあります。特に、深さや幅が思ったよりも狭くて使いづらかったり、掃除がしにくい場所に設置してしまったりしたという後悔の声がよく聞かれます。
家のデザインに合うように設計しつつ、実際の使い勝手を十分に考慮して計画しましょう。