家づくり

注文住宅で予算オーバーする原因は?削るべきでない・削れるところも解説

投稿日:2024年12月10日

この記事では、注文住宅で予算オーバーしてしまう原因を解説します。

注文住宅は間取りや設備、仕様などを自分好みに設計できるため、慎重に計画しなければ予算を超えてしまうことがあります。特に、採用したい条件が多数あるときに予算を超えやすく、ローンの返済などにも影響するでしょう。

この記事では、注文住宅で予算オーバーして後悔する原因を解説します。

予算オーバーしたときに削れる箇所と削るべきではない箇所もお伝えするので、注文住宅の建築を検討している人はぜひこの記事を参考にしてください。

【この記事でわかること】
注文住宅で予算オーバーして後悔する原因
注文住宅で予算オーバーしたときに削れるところ
注文住宅で予算オーバーしたときに削らないほうが良いところ

注文住宅で予算オーバーして後悔する原因

ここでは、注文住宅で予算オーバーしてしまい後悔する原因を見ていきましょう。

  • 希望条件の優先順位が付いていない
  • 建築会社とのコミュニケーションがうまくいかない
  • 予算の見積もりやローン計画が不十分である
  • 購入後にかかる費用を把握していない
  • 補助金・助成金・減税制度を知らない

上記5つの原因を1つずつ解説します。

希望条件の優先順位が付いていない

注文住宅を計画する際、自分や家族の希望をすべて実現しようとすると、建築費用が高額になってしまいます。

また、希望する条件に優先順位を付けていないと、入居後にかえって利便性が低いと感じてしまうことがあります。

計画の際には家族全員でしっかりと話し合い、希望する条件に優先順位を付けることが大切です。どうしても実現させたい条件を3つほど取り入れられれば、予算内でも十分に家族の希望を反映した家になるでしょう。

建築会社とのコミュニケーションがうまくいかない

家づくりでは、建築会社と複数回打ち合わせをしてどのような家にするかを決定します。希望する条件やその優先順位を明確に伝えなければ、意図しない仕様変更が発生したり、優先度が低いオプションの追加費用が発生したりすることがあります。

家族で住宅について話し合った後はその内容をしっかりと建築会社に伝えましょう。万が一、担当者の考えと合わないと感じた場合、担当者を変えてもらうのも選択肢の1つです。

予算の見積もりやローン計画が不十分である

注文住宅を購入する際には、建物の本体価格以外にもさまざまな費用が発生します。

例えば、外構の工事やガス・水道の引き込み工事にかかる付帯工事費は、本体価格の20〜30%程度になるケースが一般的です。また、住宅を購入した際の税金や保険料などを合わせた諸費用は、本体価格の5〜10%程度とされています。

注文住宅の見積もりやローン計画を立てる際には、本体価格だけでなくこれらの費用も考える必要があります。見積もりや計画に誤りがあると後々の支払いが困難になるおそれがあるため、予算を正確に把握することが大切です。

購入後にかかる費用を把握していない

家を建てて入居した後にも、ランニングコストが発生します。

ランニングコストには、固定資産税や都市計画税などの定期的に支払う税金や、壁や屋根のメンテナンス費用、リフォーム費用などが含まれます。

税金は建てる家の特徴やエリアによって異なり、メンテナンス費用も採用する壁や屋根の素材によって異なります。家を建てるときには、建築会社などにランニングコストの目安を確認しておくと安心です。

ランニングコストを見落とすと将来的にローンの返済が滞るおそれがあるため、事前に目安額をチェックしておきましょう。

補助金・助成金・減税制度を知らない

新しく家を購入する人に向けて、国や自治体はさまざまな補助金・助成金制度や減税制度を実施しています。特に、長期優良住宅に該当する場合、認定を受ければ他の住宅よりも多く制度を活用できます。

制度についてよくわからない場合は、担当の建築会社に利用できる補助金を確認したり、居住地がある自治体に相談したりしましょう。制度をうまく活用できれば、その分のお金を家具・家電の購入費用や入居後のランニングコストに回せます。

注文住宅で予算オーバーしたときに削れるところ

ここでは、注文住宅で予算をオーバーした場合に削れる箇所について解説します。

  • 土地の条件
  • 建物の形状・床面積
  • 設備
  • 後回しにできるもの

上記4点を順番に見ていきましょう。

土地の条件

家を建てる土地の条件によっても、建築費用は左右されます。例えば、以下のような工夫によって費用を抑えられます。

  • 土地の形状がシンプルなものを選ぶ
  • 地盤改良工事が必要ない土地を選ぶ
  • 坪単価が極端に高いエリアは避ける

また、土地を購入する際は不動産取得税が課税されますが、相続によって取得した場合や、土地区画整理事業などで取得した場合など、非課税になるケースがあります。

可能であれば、これらの軽減制度を活用できる土地の取得を検討することもポイントです。

※参考:不動産取得税Q&A丨東京都主税局

建物の形状・床面積

土地と同様に、建物の形状が複雑になると凸凹部分の施工費用や材料費がかかり、建築費用も高くなります。

また、床面積が必要以上に大きい場合も、建築費用が高くなる原因の1つです。以下のポイントを考慮して、建築費用を可能な限り抑えましょう。

  • 建物の形状はシンプルにする
  • 家族構成に合った床面積にする
  • 2階建てにして基礎工事部分をなるべく少なくする

家づくりにおいて、基礎工事はコストがかかりやすい工事内容です。平屋にこだわりがない場合、2階建てにして基礎工事部分をなるべく減らすほうが費用を抑えられます。

設備

高機能で利便性が高い設備は魅力的に感じられますが、予算オーバーの原因になることが多くあります。以下のポイントから、設備に関するコストが削減できないか検討しましょう。

  • 入居後に使用する頻度は多いか
  • 標準仕様で不備があるか
  • 優先順位が高いといえるものか

標準仕様でも十分満足に生活できる場合は、そのままにしておくことがおすすめです。設備についても、家族で話し合ったうえでどうしても導入したいもののみを取り入れましょう。

後回しにできるもの

入居する前に、家に関するすべての作業を終わらせる必要はありません。

例えば、照明器具やカーテンの設置など、入居した日に作業できることもあります。また、外構の庭は入居後の生活が落ち着いてから手入れをすることも可能です。

できることは自分たちで行うことで、初期費用を抑えられます。

注文住宅で予算オーバーしても削らないほうが良いところ

ここでは、注文住宅で予算オーバーした場合でも削らないほうが良いといえる5つの項目を解説します。

  • 希望条件が最も高いもの
  • 間取り・内装
  • 断熱性・耐震性
  • 屋根・外壁
  • セキュリティ・防犯対策

1つずつ見ていきましょう。

希望条件が最も高いもの

費用を抑えることに気を取られて、家族の希望が全く実現されていない家になってしまうと、入居後の生活に不満が生じてしまうおそれがあります。話し合いをして優先順位が最も高くなったものは、予算を削減せずに実現させることがおすすめです。

最も優先順位が高い希望条件の例としては、以下のものが挙げられます。

  • 家事動線が良い間取り
  • 家族が集まって団らんできる広いリビング
  • 雨の日でも洗濯できるランドリールーム など

すべてにおいて予算を削るのではなく、優先度が高いものはそのまま残し、それ以外の箇所で調整しましょう。

間取り・内装

過度に要望を取り入れすぎないことは前提ですが、実際の暮らしに大きく影響する間取りや内装も、なるべく削らないほうが良いといえます。

間取りや内装は、家族内でさまざまな意見が飛び交う項目です。以下のポイントを踏まえたうえで、優先順位を付けるための話し合いを慎重に行いましょう。

  • 部屋の数は適切か
  • 窓や扉の数は適切か
  • 水回りを1箇所にまとめるべきか
  • デザインのコンセプトをどうするべきか など

機能性を意識しつつも、暮らしのモチベーションに繋がりやすいデザイン面も大切です。自分が譲れないテーマや条件などがあれば、予算を見つつ実現に繋げましょう。

資金計画や標準仕様を確認しながら、間取りや内装で取り入れるべきものを明確にすることが大切です。

断熱性・耐震性

住宅の断熱性や耐震性を高めると、快適に生活できるだけでなく、いざというときにも安心・安全に過ごせます。具体的には、以下の工夫がおすすめです。

  • 断熱性が高い窓や窓サッシを選ぶ
  • 壁の内部や床の下に断熱材を入れる
  • 耐震構造を採用して耐震等級3の家にする など

断熱性や耐震性が高い家に対しては、国や自治体から補助金が交付されるケースがあります。

長期的に見れば費用削減に繋がるケースもあるため、断熱性や耐震性にはしっかりとこだわることをおすすめします。

屋根・外壁

屋根や外壁に使用する素材は、建物の耐久性やメンテナンス頻度に大きく影響します。

建築コストを抑えようとして安価な材料を選ぶと、新築後の早い段階で修繕や外壁リフォームが必要になるでしょう。

素材を選ぶ際には価格だけでなくメンテナンスの頻度についてもしっかり確認し、将来的なランニングコストを抑えることが大切です。

セキュリティ・防犯対策

家族の安全を守るためにも、セキュリティ対策はしっかりと実施することがおすすめです。具体的なセキュリティ・防犯対策として、以下が挙げられます。

  • 画面つきのドアホンを設置する
  • スマートロックのドア錠を採用する
  • 割れにくい網入りの窓ガラスを選ぶ など

家のセキュリティを高めるには、侵入されにくい家づくりが大切です。センサーライトや防犯カメラをよく見える箇所に設置し、侵入しにくい家をアピールするのも手段の1つです。

注文住宅の予算に関するよくある質問

ここでは、注文住宅の予算に関してよくある質問に回答します。

  • 予算オーバーしそうなときにまずやるべきことは?
  • 予算オーバーして費用を払えないときはどうすればいい?
  • 注文住宅で予算オーバーしたら解約できる?

上記3つの質問とその回答を1つずつ見ていきましょう。

予算オーバーしそうなときにまずやるべきことは?

注文住宅を計画しているときに予算オーバーしそうな場合、まずは建築会社や設計士に相談しましょう。設計や仕様を見直してコストを削減したり、見積もりの内訳を一緒に確認して不必要なコストがないかチェックしたりできます。

また、家族の中で優先順位が定まっていない場合、建築会社の担当者や設計士を交えて話し合うこともおすすめです。

予算オーバーして費用を払えないときはどうすればいい?

万が一、予算オーバーして支払いが難しい場合、可能であれば工事の内容を調整することを推奨します。内装工事や外構工事の一部を後から行うことで、初期費用を抑えられるでしょう。

また、住宅ローンを借り入れる金融機関に相談し、借入額の増額や返済条件の変更が可能か検討してもらうことも方法の1つです。

ただし、基本的に施工が始まった後に工事内容を変更することや、一度契約したローンの内容を変えることは難しいので、予算がオーバーしそうだと思ったら早い段階で相談しましょう。

注文住宅で予算オーバーしたら解約できる?

契約内容や工事の進行状況によって、工事の解約ができるかは異なります。

工事が始まる前であれば比較的スムーズに解約できますが、既に着工している場合は完了した工事の費用を支払う必要があります。

場合によっては多額の違約金を支払うことにもなるので、このような事態を避けるためにも計画段階で慎重に検討することが大切です。

注文住宅で予算オーバーしそうなら施工会社に相談しよう

この記事では、注文住宅で予算をオーバーしてしまう原因を解説しました。

注文住宅で予算を超えてしまう理由として、希望する条件に優先順位が付いていないことや必要な費用をしっかり把握していないことが挙げられます。

家族でしっかりと話し合って本当に必要な希望条件のみを実現し、必要な費用を正確に把握して具体的な計画を立てることは、マイホームでの新生活をスムーズに始めるためにも大切です。

必要に応じて施工会社や設計士に相談し、予算内で快適な家を建てられるように工夫しましょう。

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