この記事では、平屋のメリットとデメリットを解説します。
これからマイホームを購入しようと考えている人のなかには、平屋をおすすめされた経験がある人も少なくありません。平屋は一階部分のみの住宅のことで、バリアフリーなどの観点から、近年人気が高い傾向にあります。 この記事では、平屋の特徴に加えて建てる際に考慮したいポイントも解説します。マイホームの購入を検討中の人は、ぜひこの記事を最後までお読みください。
【この記事でわかること】
そもそも平屋とは?
平屋とは、一階建ての住宅のことです。
階段がなくリビングや寝室、バスルームやトイレなどがすべて一つの階に配置されています。”平屋”ではなく、”一階建て住宅”や”平家建”などと表現される場合もあります。
平屋は日本の伝統的な住宅として有名ですが、近年では間取りやデザインの自由度の高さから、平屋を選ぶ人が増加しています。
平屋が人気の理由
平屋は、一般的に階段を配置しない住宅構造です。そのため、階段スペースが必要なく、自由な間取りが実現できる住宅だといえます。
また、二階との行き来が必要ないので、老後でこれまでの暮らしが困難となった場合でも二階建てより生活しやすい点が特徴です。お風呂やトイレ、台所などがすべて一つのフロアに集約されているので、生活動線が効率的な点も平屋が人気な理由です。
家族構成が少なく、高齢者の世帯が増えている現代において階段がなく暮らしやすい平屋は、今後も人気が高くなるでしょう。
平屋の主なメリット5選
ここでは、平屋のメリットを解説します。
- 効率的な生活動線を確保できる
- メンテナンス費用・光熱費を抑えやすい
- 階段がなくバリアフリーに特化している
- 構造が安定している
- 家族間でのコミュニケーションが取りやすい
それぞれ見ていきましょう。
効率的な生活動線を確保できる
平屋では、効率的な生活動線を実現できます。
玄関や台所、お風呂やトイレなど、生活に必要な空間がすべて同じ階に配置されているため、家事や日常の移動がシンプルでスムーズです。
家に帰ってきたあと、階段を使わずに手洗いや料理の支度、お風呂の準備ができるなど、一つの階に生活空間が集約されているため移動しやすいといえます。
メンテナンス費用・光熱費を抑えやすい
平屋はメンテナンスがしやすく、メンテナンス費用を抑えられる点が特徴です。特に、屋根や外壁の修理では足場を組むケースがほとんどないため、コストを削減できます。
さらに、すべての生活空間が一階部分に集まっているため、冷暖房の効率が良く、光熱費削減につながります。
階段がなくバリアフリーに特化している
平屋では、階段を昇降せずに生活できるため、高齢者や身体に制限がある人も安全に生活できます。特に、親世代との同居を考えている人や足が不自由な家族がいる人にとって、階段を使わない生活は事故の防止につながります。
また、自身が老後に足が不自由になっても快適に生活でき、平屋は長期にわたって住みやすい住宅です。
構造が安定している
平屋は構造的に安定しているため、二階建て住宅や高層建築の家と比べて地震の揺れに強いという特徴があります。
大きな地震が発生しやすい日本では、マイホームをできるだけ地震に強い構造にしたいと考える人は多くいます。安定した構造で地震の揺れなどに強い点も、平屋を選ぶメリットです。
家族間でのコミュニケーションが取りやすい
平屋は、家族の居住空間がすべて一階部分にあるため、家族間のコミュニケーションを取りやすいといえます。家族がお互いに顔を合わせやすく、状況を把握しやすいでしょう。
また、すべての部屋が同じフロアにあるため、家族の気配を感じやすく、お互い個室にいるとしても家族が近くにいる安心感を得やすい点が魅力です。
平屋の主なデメリット4選
平屋には、主に以下の4つのデメリットがあります。
- 二階建てと比較すると価格(坪単価)が高くなりがちである
- 周辺環境によっては日当たりや通風が悪くなる
- 防犯面・プライバシーに不安が残る
- 広い敷地が必要になる
それぞれ見ていきましょう。
二階建てと比較すると価格(坪単価)が高くなりがちである
平屋は同じ床面積の二階建て住宅に比べて、建築費用が高くなる傾向があります。同じ床面積でも平屋は二階建てより建築面積が大きくなり、基礎部分が広範囲にわたるため、多くの材料と手間が必要です。
また、屋根の面積も広くなるため、その分の材料費や施工費もかかります。二階建て住宅の場合は、縦方向に空間を確保できるため坪単価を抑えられます。
一方、平屋にはそのメリットが少なく、全体的な建築コストが高くなる傾向にあります。
周辺環境によっては日当たりや通風が悪くなる
平屋の場合、日当たりや通風が周囲の建物や地形の影響を受けやすくなります。例えば、周囲に高い建築物が多い場合、日陰になりやすく自然光や風の流れが制限されることがあります。
特に、都市部の狭小地や高密度住宅地域ではこの問題が発生しやすいため、平屋を建てる際には適切な場所選びや設計が重要です。
防犯面・プライバシーに不安が残る
平屋は、外部からの視線に晒されやすいケースがあります。特に、敷地の周囲が開けている場所や通行量が多い地域では、プライバシーに注意した設計にすることが必要です。
平屋では、窓やドアが直接外部に面する場合が多いため、防犯上のリスクやプライバシーの確保に配慮した適切な設計やセキュリティ対策を心がけましょう。
広い敷地が必要になる
平屋はすべての生活空間が一階に収まるため、地面に広がりを持たせる必要があり、二階建て住宅に比べて広い敷地が必要になります。特に、庭や駐車スペース、その他の外部空間を確保しようとすると、さらに広い敷地が必要です。
平屋は土地のコストが高まるおそれがあり、特に都市部などの土地価格が高い地域ではその影響が大きくなるため、平屋を建築する際には敷地面積にも注意が必要です。
平屋の検討時に考慮したいポイント
平屋のメリット・デメリットを踏まえて、検討する際に考慮したいポイントを解説します。
- 土地探し
- 価格
- 間取り
上記3点を順番に見ていきましょう。
土地探し
先述の通り、平屋は同じ床面積を持つ二階建て住宅に比べて広い土地が必要になります。土地の広さは間取りや庭・駐車スペースの大きさに影響します。
また、日当たりや通風、プライバシーや防犯も、平屋を建てる際には重要なポイントです。周辺の建築物の影響を受けにくくプライバシーをしっかりと確保できる環境で、快適な平屋での生活を実現できるよう、土地探しは慎重に実施しましょう。
価格
一般的に、平屋は基礎や屋根などの工事に大きなコストがかかるため、二階建て住宅に比べて坪単価が高くなる傾向にあります。
また、建築面積が大きく広い土地が必要であるため、一般的に土地代も高くなります。
限られた予算内で理想の住宅を建てるためには、コストを抑える工夫をしたり採用する機能に優先順位を付けたりすることが必要です。費用を考える際には、建築費用だけでなく土地代や将来のメンテナンス費用も含めて考慮することが大切です。
間取り
平屋の間取りは、生活スタイルや家族構成に合わせて慎重に計画する必要があります。平屋で得られるバリアフリーの利点を生かしつつ、効率的な生活動線を確保することが重要です。
また、家族のプライバシーと共有スペースのバランスを考慮した間取りにすることも大切です。平屋はすべての部屋が同じフロアにあるため、部屋同士の音の伝わりやすさなどに注意し、お互いにストレスを受けないように配慮する必要があります。
間取りを計画する際には、将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる設計を心がけると、さらに望ましいでしょう。
平屋のメリット・デメリットを比較して自分に合っているかを判断しよう
平屋はバリアフリーや生活動線の利点を得やすい一方で、費用やプライバシーなどに注意が必要です。
この記事で解説した平屋の特徴や考慮したいポイントを基に、平屋と二階建て住宅のどちらが自分に向いているか、検討してみましょう。 また、家づくりに関する計画を進める際には、インターネットやモデルハウスなどで事例を多くチェックして、マイホームのイメージを深めましょう。