この記事では、土地を購入する際に注意すべき8つのポイントを解説していきます。
マイホームづくりにおいて、多くの人が土地を購入します。人生の中でも特に大きな買い物であるため、失敗しないためには注意点をよく知っておくことが重要です。
この記事では、注意点を踏まえて土地購入で後悔しないポイントや、注意したほうが良い土地の特徴も解説します。土地購入で失敗したくない人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】 ・土地を購入する際の注意点8選 ・土地購入で後悔しないためのポイント5選 ・購入時に注意したほうが良い土地の3つの特徴 |
土地購入における主な注意点8選
ここでは、土地購入における主な注意点8つについて解説します。
- 用途地域を確認する
- 接道義務を果たしているか確認する
- 地盤が強固であるか確認する
- 隣地との境界線が明確であるか確認する
- 周辺環境を確認する
- 災害リスクを確認する
- インフラが整備されているかを確認する
- 土地代以外でかかる費用を把握する
順番に見ていきましょう。
用途地域を確認する
土地を購入する前に、どの用途地域に当てはまっているかを確認することが重要です。
用途地域とは、各自治体により建物の使い道や建物の大きさなどに制限が定められたエリアのことです。例えば、住宅を建てたい場合は、住宅が建てられる用途地域にあるかどうか確かめなければなりません。
用途地域や土地の特性や将来の価値にも影響を与えるので、注意深く確認することが重要です。
接道義務を果たしているか確認する
土地が道路に接しているかどうか(接道義務を果たしているか)を確認することも大切です。
接道義務とは、「建築物の土地が幅員4m以上の道路に2m以上接している必要がある」という条件のことです。接道義務を果たしていなければ、現在建物が建てられている土地であっても、建て替えはできません。
また、土地が私道に接している場合は、その維持管理費用や権利関係についても調べる必要があります。
地盤が強固であるか確認する
地盤の固さは、建物の安全性に直結する重要な要素です。地盤が弱い場合、大規模な地盤改良工事が必要になることもあり、追加の費用が発生します。
また、地盤の強さを確認することで、将来的なリスクや費用を予測できます。
隣地との境界線が明確であるか確認する
土地の境界線が明確かどうかを確認することは、将来のトラブルを防ぐ上で非常に重要です。
特に、隣地との境界にある塀や植木などについては、共有されている場合もあるので注意が必要です。
境界杭などがなく境界線が不明確な場合は、土地を購入する前に隣地所有者の立会いのもとで境界を確定しておくことをおすすめします。
周辺環境を確認する
土地の周辺環境を確認することは、快適な生活を送るために非常に重要です。暮らしやすさに影響を与える以下の要素をしっかりと確認しましょう。
- 日当たり
- 騒音
- 近隣施設の充実度
- 交通の便
- 歩道や街路灯の有無
- ゴミ処理場などの嫌悪施設の有無
また、周辺環境は平日と土日、日中と夜間では異なる場合もあるので、複数のタイミングで土地を訪れて確認しましょう。
災害リスクを確認する
災害リスクの確認は、安全で安心な生活を送るために不可欠です。豪雨による浸水や河川の氾濫、地震などの自然災害のリスクを事前に知ることで、必要な対策を講じられます。
地盤の安定性やハザードマップを参照し、洪水や土砂崩れのリスクを確認しましょう。
インフラが整備されているかを確認する
接している道路での、インフラ整備状況を確認することも大切です。
自分の土地に上下水道、ガスなどのインフラを引き込むための費用は、購入者が負担します。インフラが通っている道路から離れている土地では、後から設備を整えるために大きな追加費用が発生するおそれがあります。
想定外の支出が発生しないためにも、接道のインフラの整備状況を事前に確認しましょう。
土地代以外でかかる費用を把握する
土地購入には、土地代金以外にも多くの費用がかかります。具体的には、以下の諸費用がかかります。
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 印紙税
- 登録免許税
- インフラ整備費用
- 仲介手数料
- 手付金
土地にかかる全体のコストを把握した上で、資金計画を立てることが重要です。
注意点を踏まえた土地購入で後悔しないポイント5選
前述した注意点を踏まえた上で、土地購入で後悔しないためのポイントを5つ解説します。
- 事前準備を怠らない
- 依頼先と土地は並行して探す
- 優先順位や譲れない条件を決めておく
- 現地に足を運んで見学する
- 信頼できるビルダーに相談する
順番に確認しましょう。
事前準備を怠らない
条件の良い土地はすぐに売り切れてしまうため、買いたい土地をすぐに購入できるように十分な事前準備が必要です。具体的には、以下の準備を行いましょう。
- 住宅ローンの事前審査
- 資金計画の立案
- 間取り案の作成
購入する土地が確定していなくても準備できるので、並行して準備することをおすすめします。
依頼先と土地は並行して探す
マイホーム建築の依頼先と土地は、並行して探すことをおすすめします。
土地を購入してから間取り作成をすると、「土地の購入時に想像していた間取りが実際には実現できなかった」という事態に陥るおそれがあります。また、ビルダーに間取りを相談している過程で、間取りや希望条件に合ったおすすめの土地を紹介してくれるケースもあります。
失敗を避けるために、自分が建てたいマイホームが実現できるのか相談して建築を依頼する先も土地と同時並行で探しましょう。
優先順位や譲れない条件を決めておく
土地を選ぶ際の優先順位や、譲れない条件を明確にすることが重要です。優先順位の高い条件の例として、以下が挙げられます。
- 通勤・通学の距離
- 近隣の施設
- 周辺環境
具体的な希望をリストアップして優先順位を決定してから土地購入することで、予算オーバーなどの失敗を回避しやすくなります。
現地に足を運んで見学する
実際に土地を見学することで、資料だけではわからない情報を得られます。日当たりや周辺環境、交通の便など、実際の様子を確認することが大切です。
先述の通り、周辺環境は平日と土日、日中と夜間では異なるケースもあります。昼間は人が少なく閑静な住宅街という印象があったものの、夜に来てみたら街灯が少なく不安を感じてしまうケースも考えられます。
異なるタイミングにおいて、2〜3回は土地を訪れて確認することが重要です。
信頼できるビルダーに相談する
信頼できるビルダーを選んで相談することも重要です。
土地購入は複雑であり、専門的な知識が必要です。また、土地勘がない人がインターネットで土地情報を見比べるだけではわからないこともあります。
土地購入を順調に進めるために、その地域で実績豊富で信頼できるビルダーや不動産会社に相談し、アドバイスを受けることが重要です。
購入時に注意したほうが良い土地の3つの特徴
土地の中には、理想のマイホームづくりに支障をきたすリスクもあります。ここでは、購入ときに注意したほうが良い土地の特徴を3つ解説します。
- 土地の形状が歪んでいる
- 土地の前に消火栓が置かれている
- 土地に高低差がある
順番に見ていきましょう。
土地の形状が歪んでいる
歪んだ形状の土地は、建築計画を立てる際に問題を引き起こすおそれがあります。
歪んだ形状の土地は、価格が安い傾向にあるメリットがあります。しかし、不規則な形状では建物の配置や設計が難しく、効率的な空間利用が困難です。また、日当たりや通風が悪くなることも考えられます。
歪んだ土地の購入を検討する場合は、ビルダーや不動産会社へ相談しましょう。
土地の前に消火栓が置かれている
土地の前に消火栓が設置されている場合、特定の制限が発生するケースがあるので注意が必要です。
消防法により、消火栓の周囲は消防活動のために空けておかなければならないため、周囲に建物を建てることや、車の駐車が制限されることがあります。
【消防法:第十八条】※一部抜粋 何人も、みだりに火災報知機、消火栓、消防の用に供する貯水施設又は消防の用に供する望楼若しくは警鐘台を使用し、損壊し、撤去し、又はその正当な使用を妨げてはならない。 |
土地周辺における消火栓の有無は、日常の生活に影響を及ぼすだけでなく、将来的な土地活用にも影響を与えるおそれがあります。
土地に高低差がある
土地に高低差があると、建築コストが増加し設計がより困難になるおそれがあります。
高低差が大きいと、多くの場合土地の造成や基礎工事に追加の費用がかかります。また、坂地や傾斜地では、排水の問題や土砂崩れのリスクが高まることもあります。
土地を将来売却する際の価値にも影響を与えるおそれがあるため、注意が必要です。
土地購入の注意点に関するよくある質問
ここでは、土地購入の注意点についてよくある質問に回答していきます。
- 土地の契約時に気をつけることは?
- 土地購入のチェックリストはどのように作成する?
- 擁壁のある土地の注意点は?
疑問の解消にお役立てください。
土地の契約時に気をつけることは?
契約時に気をつけることとして、以下が挙げられます。
- 手付金は現金で用意する
- 契約解約の条件を確認する
- 登記簿が移転されたタイミングで土地の所有権が移動する
例外はありますが、土地の契約締結時に支払う手付金は金額の5〜10%が目安です。
解約についても契約書に記載されています。不測の事態が起こったときに困らないように、契約書に記載されている文面を確認しましょう。
また、所有権の移転は手続きが煩雑なため、司法書士に依頼することをおすすめします。
土地購入のチェックリストはどのように作成する?
土地購入のチェックリストを作成する際は、以下の点を考慮しましょう。
- 用途地域
- 建ぺい率・容積率
- 接道義務
- 周辺環境や利便性
- 災害リスク
用途地域や建ぺい率・容積率、接道義務といった条件は、理想の土地探し・マイホームづくりの根幹です。ビルダーや自治体などの専門家に相談することが重要です。
生活スタイルや通勤・通学の便利さなど、周辺施設など、生活環境に影響する要素も必ずチェックしましょう。
また、洪水や地震などの災害が起こった際の安全性についても十分に確認する必要があります。
擁壁のある土地の注意点は?
擁壁のある土地を購入する際は、以下に注意しましょう。
- 隣の土地との境界の確認
- 擁壁の状態の確認
- 地盤強度の調査
擁壁のある土地は隣人トラブルが起こりやすいので、購入前に境界を確認することをおすすめします。
また、現存している擁壁が傷んだり基準を満たしていなかったりするケースも存在します。補修工事の必要性も踏まえて、擁壁の状態を確認しましょう。
擁壁を支える地盤の強度も重要です。地盤調査を実施し、建築前の地盤改良が必要かどうかを確認することを推奨します。
土地購入における注意点を押さえて優先順位を決めよう
土地購入では大きな金額が動きます。失敗したときの後悔も大きいため、この記事で解説した土地購入の注意点を把握することが重要です。
また、土地購入・家づくりにおいて困ったことがあれば、信頼できるビルダーや不動産会社など専門家に相談しましょう。土地購入・家づくりで失敗しないためのポイントを豊富な実績から知っているため、悩みに寄り添いながら解決策を提案してくれるでしょう。