この記事では、注文住宅の平均坪単価について解説していきます。
注文住宅を購入する場合は、まず使える予算を明確にすることが重要です。具体的な予算をイメージする上で参考になる指標の1つが、注文住宅の坪単価です。坪単価とは、1坪あたりにどれくらいの建築費用がかかるかを表します。
この記事では、建てられる住宅の坪単価による違いや、比較する際の注意点も解説していくので、注文住宅の予算決めでお悩みの人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】 ・そもそも注文住宅における坪単価とは? ・注文住宅の平均坪単価は65万円〜80万円 ・ハウスメーカーの分類で注文住宅の平均坪単価を比較 ・坪単価によってどのような注文住宅が建てられる? ・注文住宅の坪単価を比較する際の注意点 |
そもそも注文住宅における坪単価とは?
注文住宅を建てる際に、どれくらいの費用がかかるかを知るための指標の1つが坪単価です。坪単価とは、1坪あたりにどれくらいの建築費用がかかるかを示す金額のことです。
注文住宅の場合、家を建てる人の要望に応じて設計や材料が選ばれるため、完成する家ごとに坪単価は異なります。
- 坪単価は一般的に公表されているものではない
- 坪単価の算出はハウスメーカーによって異なる
ここでは、注文住宅の坪単価に関する上記2つの内容を解説します。
坪単価は一般的に公表されているものではない
多くの場合、坪単価は明確に公表されることはありません。理由は、注文住宅の坪単価が物件ごとに大きく異なるためです。
購入者のニーズに応じて使用する材料やデザインが変わるため、坪単価を一律に表すことは困難です。そのため、実際にはハウスメーカーや工務店に相談し、自分の希望を伝えた上で坪単価を見積もりする必要があります。
坪単価の算出はハウスメーカーによって異なる
坪単価の算出方法は、ハウスメーカーや工務店によって異なります。なぜなら、建築に使用する材料の質や工事の複雑さ、地域によるコストの違いなどの多くの要因が影響するからです。
高品質な材料を使用したり、オリジナルのデザインを採用したりすると、坪単価は高くなる傾向にあります。反対に、スタンダードな材料やシンプルな設計であれば、コストを抑えることが可能です。
自分の予算と要望を明確にして、自分に合ったハウスメーカーで見積もりを取り比較することが大切です。
注文住宅の平均坪単価は65万円〜80万円
注文住宅の坪単価の平均は、65〜80万円の範囲です。ただし、あくまで平均的な値であるため、実際にはどのような家を建てるかによって大きく変動します。
例えば、使う材料の種類や家の大きさ、デザインの複雑さなどが坪単価に影響します。地域によっても工事費用が異なるため、同じ間取りで同じ仕様の家を建てても場所によって坪単価が変動することもあります。
そのため、65〜80万円という範囲は1つの目安としましょう。実際に注文住宅を建てる際には、自分の予算や希望に合わせてハウスメーカーや工務店に相談し、詳細な見積もりを出す必要があります。見積もりを基に計画を立てて、予算内で理想の家を目指していきます。
ハウスメーカーの分類で注文住宅の平均坪単価を比較
ここでは、ハウスメーカーを3つに分類し注文住宅の平均坪単価を比較していきます。
- ローコストハウスメーカーの平均坪単価
- ミドルクラスハウスメーカーの平均坪単価
- ハイグレードハウスメーカーの平均坪単価
順番に見ていきましょう。
ローコストハウスメーカーの平均坪単価
ローコストのハウスメーカーの平均坪単価は、40〜60万円です。
ローコストのハウスメーカーが建てる住宅では、コストを抑えつつも品質の高い住まいを提供することを目指しています。
40〜60万円の価格帯では、シンプルなデザインや効率的な間取り、コストパフォーマンスの高い建材を使用することで、価格を抑えつつも快適な住空間を実現しています。価格が抑えられる分、間取りを設計する自由度は低めであるといえます。
ミドルクラスハウスメーカーの平均坪単価
ミドルクラスのハウスメーカーの平均坪単価は、60〜80万円の範囲です。
ミドルクラスのハウスメーカーが建てる住宅では、デザインや間取りの自由度が高く、品質にもこだわった建材を使用します。品質とのバランスの取れた価格設定であるため、多くの家族にとって魅力的な選択肢といえます。
ハイグレードハウスメーカーの平均坪単価
ハイグレードハウスメーカーの平均坪単価は、80〜100万円です。ハウスメーカーによっては坪単価が100万円以上になることもあります。
ハイグレードハウスメーカーが建てる住宅では、高級感のあるデザインで最高品質の建材を使用することが一般的です。さらに、先進技術を導入するなど、特別な要望に応えるため工夫が施されていることもあります。
大きな費用がかかる分、完全に理想通りの住宅を実現できる可能性が高いといえます。
坪単価によってどのような注文住宅が建てられる?
坪単価が異なると、使用できる材料やデザイン、仕上がりの質感などに大きな違いが生まれます。ここでは、坪単価によってどのような注文住宅が建てられるのかを解説していきます。
- 坪単価30〜40万円の注文住宅
- 坪単価45〜65万円の注文住宅
- 坪単価70〜100万円の注文住宅
順番に見ていきましょう。
坪単価30〜40万円の注文住宅
坪単価30〜40万円の注文住宅では、基本的な機能を備えたシンプルな間取りの家を建てることが可能です。
コストを抑えるために標準的な建材やシンプルな構造を採用する場合が多いといえます。デザインを大幅に変更することは難しいものの、必要な機能を備えた快適な住空間を提供することは十分可能です。費用を抑えながらも品質にこだわった住宅を求める人に適しています。
坪単価45〜65万円の注文住宅
坪単価45〜65万円の注文住宅では、よりカスタマイズの自由度が高くデザイン性や機能性に富んだ家を建てられます。
耐久性や省エネ性に優れた材料も選べ、間取りや外観にもこだわることが可能です。
家族の成長やライフスタイルの変化に合わせ、柔軟に間取りを変更できる住宅を建てたい場合に適しています。
坪単価70〜100万円の注文住宅
坪単価が70〜100万円の注文住宅では、間取りの自由度やデザイン性に加え、高性能な建材やオーダーメイドの家具や設備を使用するなど、細部まで工夫することが可能です。
また、一流の建築家やデザイナーと協力して、完全オリジナルの家を実現できる場合もあります。完全に自分の要望を実現した理想の空間で暮らしたい人に適しています。
注文住宅の坪単価を比較する際の注意点
注文住宅の坪単価は予算を考える上で重要な指標ですが、坪単価だけを見て判断するのは危険です。坪単価を比較する際には、以下のポイントに注意する必要があります。
- 坪単価だけでビルダーを選ばない
- 依頼先の坪単価の定義を把握しておく
- 坪単価が低い=グレードが低いわけではない
- 実際に支払う金額は坪単価より高くなる
順番に解説していきます。
坪単価だけでビルダーを選ばない
坪単価だけを見てビルダーを選ぶことは推奨できません。
坪単価が安いからといって、そのビルダーが最良の選択肢であるとは限りません。建築の品質やアフターサービスの質など、他にも考慮すべき要素が多数あります。
ビルダー選びは、坪単価以外の要素も総合的に評価することが重要です。
依頼先の坪単価の定義を把握しておく
坪単価は、各ビルダーやハウスメーカーによってその定義は異なることがあります。
ビルダーが提示する坪単価には、外構費用や諸経費などの追加費用の一部が含まれていない場合もあります。そのため、坪単価でビルダーやハウスメーカーを比較する前には、坪単価に何が含まれているのかを正確に理解した上で、同等の条件で比較することが重要です。
坪単価が低い=グレードが低いわけではない
坪単価が低いからといって、必ずしも建築される家の品質やグレードが低いわけではありません。コストパフォーマンスに優れた間取りや材料を選び、坪単価を抑えつつも高い品質を実現しているビルダーも存在します。
予算内で最も希望に合った注文住宅を建ててくれるかも、ビルダーを選ぶ際には重要です。
実際に支払う金額は坪単価より高くなる
実際に支払う金額は坪単価より高くなることを理解しておきましょう。
坪単価で計算された見積もり金額はあくまで基本的な建築費用であり、最終的な総費用にはさまざまな追加費用が発生します。追加費用として、オプションの追加や変更、地盤改良費用、諸経費などが含まれます。
坪単価を基に予算を立てる際には、追加費用も考慮に入れることが重要です。
注文住宅の坪単価に関するよくある質問
ここでは、注文住宅の坪単価に関するよくある質問3つに回答していきます。
- 本体価格は坪単価で決まる?
- 坪単価に含まれるもの・含まれないものは?
- なるべく坪単価を抑えるにはどうすれば良い?
疑問の解消にお役立てください。
本体価格は坪単価で決まる?
本体価格は、基本的には坪単価によって決まります。
坪単価は1坪あたりの建築費用のことです。坪単価に家の面積を掛け合わせることで、家を建てるのに必要な本体工事の概算費用が算出されます。
ただし実際の総費用には、本体価格以外に設計費や外構工事費、諸経費などが加わります。
坪単価に含まれるもの・含まれないものは?
坪単価に含まれるものは、基本的には家を建てるための材料費と人件費です。ビルダーやハウスメーカーによっては、設計費や管理費が含まれている場合もあります。
一方で、坪単価に含まれないものとして主に以下が挙げられます。
- 土地の購入費
- 外構工事費(庭や駐車場など)
- 諸経費(水道や電気の引き込み費用など)
- オプション工事費
坪単価を比較する際には、何が含まれているのかを明確にしておくことが重要です。
なるべく坪単価を抑えるにはどうすれば良い?
坪単価をなるべく抑えるためには、以下の方法を検討しましょう。
- シンプルな間取りにする
- 標準的な材料を選ぶ
- コストパフォーマンスに優れたプランに変更する
- 複数の業者の見積もり比較検討する
また、長期的な住宅ローンの利息や光熱費を考慮すると、住宅ローン控除が適用される省エネ性能の高い家を建てるのも選択肢の1つです。
注文住宅の平均坪単価を参考に予算を決定しよう
注文住宅の予算を決定する際は、平均坪単価を参考にするのがおすすめです。ただし、坪単価を比較する際には、坪単価だけでなく品質やサービス、含まれる内容などを総合的に考慮する必要があります。
また、坪単価が低いからといって品質が悪いわけではありません。シンプルな設計にしたりコストパフォーマンスの高い材料を選んだりすることで、予算内で高品質な住宅を建てることも可能です。
理想のマイホームに求める条件をリストアップした上で、自分に合ったビルダーやハウスメーカーを検討しましょう。