この記事では、建売住宅・注文住宅の価格差について解説していきます。
建売住宅と注文住宅にはそれぞれ特徴があります。どちらかを検討する際は、項目別に比較することが重要です。その項目の中でも、住宅購入にかかる費用については多くの人が注目します。
この記事では、建売住宅・注文住宅について、価格差などの違いを解説していきます。建売住宅と注文住宅それぞれのメリット・デメリット、選ぶ際の基準も解説していくので、どちらにするか悩んでいる人はぜひ最後までお読みください。
そもそも建売住宅と注文住宅の違いとは?
建売住宅とは、土地と建物がセットで販売されている住宅のことで、デザインや間取りなどの設計プランがあらかじめ決まっています。また、建売住宅は完成済み、もしくは建築途中の住宅を購入する形式であり、購入者は土地と建物を合わせて購入することになります。
間取りやデザインが決まっているため、すぐに入居できる点や費用がわかりやすい点がメリットだといえる一方で、デザインや間取りの自由度が低い点がデメリットです。
注文住宅は、購入者のニーズに合わせて間取りやデザイン、設備などを自由にカスタマイズできる住宅です。既に所有している土地に建てるか、新たに土地を購入して建設する場合に選択できます。
注文住宅は、各家庭のライフスタイルや好みに合わせて一から設計されるため、唯一無二のマイホームを実現できます。一方、デメリットとして、建築までの時間が長くかかりやすい点や予算がオーバーしやすい点が挙げられます。
建売住宅は早く手軽にマイホームを手に入れたい人向けで、注文住宅は自分の理想にこだわりを持ってマイホームを建てたい人向けといえます。
建売住宅と注文住宅の価格差は約1,000万円
ここでは、2022年度のフラット35利用者調査の結果を基に、建売住宅と注文住宅の価格差がどの程度なのか解説していきます。2022年度に、首都圏でフラット35を利用した人が住宅購入にかかった費用は以下の通りです。
建売住宅 | 土地付注文住宅 | 注文住宅 | |
費用総額 | 4,342.9万円 | 5,406.1万円 | 4,016.8万円 |
※建売住宅の場合は購入価額
※注文住宅の場合は建設費と土地取得費の合計
土地と建物を両方購入する場合である、建売住宅と土地付注文住宅について比較すると、価格差は約1,000万円であることがわかりました。一般的に、建売住宅のほうが注文住宅に比べて経済的です。
ただし、建売住宅と注文住宅のどちらを選ぶのがよいかは、費用だけではなく自由度や入居までの期間などによって異なります。
建売住宅と注文住宅の価格差以外の比較
ここでは、建売住宅と注文住宅を価格差以外の項目で比較していきます。それぞれの特徴は、主に以下の通りです。
建売住宅 | 注文住宅 | |
自由度 | 低い間取りやデザインが既に決まっている | 高い間取りやデザインを自由に決められる |
仕上がりのイメージ | 展示場やモデルハウス見学で確認できる | プランやシミュレーションに基づく実際の完成まで正確なイメージは持ちにくい |
契約内容 | 土地と建物がセットである購入後の手続きが簡単である | 土地の購入と建物の建設が別々の契約となり得る |
価格 | 一般的にリーズナブルであることが多い価格が明確である | 選択する仕様や材料により価格が大きく変動する |
建築期間 | 短い完成済みまたは建築中の物件を購入する | 長いプランニングから完成まで数ヶ月から1年以上かかる |
立地 | 分譲地内や住宅地に多い選択肢が限られることもある | 希望に合わせて土地を選べる理想の土地を見つける必要がある |
建売住宅はあらかじめ建設された物件から選ぶため、自分好みにカスタマイズすることには限界があります。一方、注文住宅は自分のライフスタイルや好みに合わせて、家の間取りやデザインを計画できるため、個性的な家を建てられます。
また、建売住宅は既に建設中、または完成しているため、比較的短期間で入居できます。注文住宅の場合は、プランニングから完成までに時間がかかることが一般的です。
建売住宅のメリット・デメリット
ここでは、建売住宅のメリット・デメリットをさらに詳しく説明していきます。
メリット
建売住宅のメリットは、主に以下が挙げられます。
- 比較的すぐに入居できる
- 価格が明確である
- 完成した物件を確認できる
建売住宅は、契約後に短期間で入居できるのが大きなメリットです。また既に設備や仕様は決定しているため、追加費用が発生しにくく価格が明確になっています。
さらに、完成した物件やモデルハウスを実際に見て触れられるため、イメージと実際の物件に違いがないか確認しやすい点もメリットとして挙げられます。
デメリット
建売住宅のデメリットは、主に以下の通りです。
- 自由度が低い
- 同じデザインの家が多い
- 建築工程を確認できない
建売住宅は既に建てられた物件も多いため、自分好みに間取りやデザインの変更ができないことが多くあります。また、建売住宅が建てられる分譲地内では、類似した外観の住宅が多くあります。自分の家の個性を出しにくいといえます。
さらに、建売住宅は完成後の物件しか見られません。建築過程での品質管理や材料の確認が困難であるほか、家が建てられていく過程を楽しめない点がデメリットだといえます。
注文住宅のメリット・デメリット
ここでは、注文住宅のメリット・デメリットをさらに詳しく説明していきます。
メリット
注文住宅のメリットは、主に以下が挙げられます。
- カスタマイズできる
- 選択肢の幅が広い
- 将来の家族構成・ライフスタイルの変化に対応しやすい
注文住宅は、自分の好みやライフスタイルに合わせて、一から間取りやデザインを自由に決められます。趣味のスペースも用意できるため、理想の生活により近づくでしょう。使用する建材や設備なども細部まで自由に選べます。
また、注文住宅は将来の家族構成の変化や趣味のスペースなど、先を見越した家づくりが可能です。
デメリット
注文住宅のデメリットは、主に以下の通りです。
- コストが高くなりがちである
- 建築期間が長い
- 仕上がりのイメージがつきにくい
注文住宅は自由度が高い分、予算オーバーしやすい傾向にあります。こだわりが強いほど、コストは上昇するでしょう。また、注文住宅を建てる際は土地の選定から始まり、プランニングや建築に時間がかかります。入居までの期間が長くなることがあります。
注文住宅の場合、どのような家が建つかは図面やサンプルで判断するしかありません。実際に完成したときのことを想像しにくいため、住み始めてから「イメージと異なっていた」と感じてしまうケースも少なからずあります。
建売住宅・注文住宅を選ぶ際の判断基準
先述した建売住宅と注文住宅それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どちらか選ぶ際の判断基準を解説していきます。
- 入居までのスケジュールに余裕があるか
- 土地を所有しているか
- 建物や間取りにこだわりがあるか
順番に見ていきましょう。
入居までのスケジュールに余裕があるか
建売住宅か注文住宅か選ぶ際は、入居までのスケジュールに余裕があるかを判断しましょう。
建売住宅は完成しているか、建築途中であってもすぐに入居できる状態になることが多くあります。即入居可能なケースが多く、短期間での引っ越しが必要な場合に適しています。
一方で注文住宅は、プランニングから完成までに数ヶ月から1年以上の期間がかかることが一般的です。自分だけの特別な家を建てられるものの、その過程で時間を要することを念頭に置く必要があります。
土地を所有しているか
土地を所有しているかどうかも、建売住宅か注文住宅か選ぶ際の判断基準の1つです。
建売住宅は土地と建物がセットで販売されるため、土地を持っていない人は土地探しから入る必要がなく手間が省けます。注文住宅は土地探しから始めることが一般的であるため、既に土地を所有している人や、特に住みたい地域がある人に向いています。
建物や間取りにこだわりがあるか
建売住宅か注文住宅か選ぶ際は、建物や間取りにこだわりがあるかでも考えましょう。
建売住宅はあらかじめ決められた間取りやデザインから選ぶため、カスタマイズの自由度は限られています。
注文住宅は間取りやデザイン、設備に至るまで、細部にわたる自分の希望を実現できます。自分だけのオリジナルな住宅を作りたい人や、細かい部分にこだわりたい人に向いています。
建売住宅・注文住宅の価格差を確認しどっちが合っているかを判断しよう
建売住宅か注文住宅か迷っている場合は、価格差を確認しましょう。建売住宅と注文住宅の価格差は、多くの要因によって影響を受けます。一般的に、建売住宅は効率的な建築工程と大量購入によるコスト削減で、注文住宅に比べて安価に提供されることが多いといえます。
一方、注文住宅は自由度が高いため各家族のニーズに合わせてカスタマイズできますが、予算オーバーしやすい点には注意が必要です。
ただし、建売住宅か注文住宅か選ぶ際には自由度や仕上がりのイメージ、入居までの期間といったさまざまな観点から比較することが重要です。この記事で解説した判断基準を持ったうえで、どちらが合っているか判断するのがおすすめです。
また、どのような建売住宅・注文住宅を購入すべきか迷っている方は、ビルダーなどの専門家に相談することがおすすめします。
家づくりに関する豊富な知識と実績を基にしたアドバイスが期待できます。