家づくり

新築とリノベーションはどっちが良い?メリット・デメリットで比較

投稿日:2024年4月10日

この記事では、新築とリノベーションはどちらが良いのかを解説します。

新築とリノベーション、住宅を検討する際にはどちらが良いか迷うケースは少なくありません。新築には新しさがありますが、一方でリノベーションは既存の建物を改良する、独自の魅力を持っています。

この記事では、新築・リノベーションをメリット・デメリットだけでなく、費用や税金、工期の違いなどで比較するので、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】
新築とリノベーションはどっちが良いのか
新築とリノベーションのメリット・デメリット
新築かリノベーションかを判断するための比較ポイント
新築とリノベーションがそれぞれ向いている人の特徴

新築とリノベーションはどっちが良いのか

新築とリノベーションのどちらが良いかは、人それぞれです。住宅を選ぶ際には、それぞれの特性やメリット・デメリットを理解することが重要です。

参考までに、新築とリノベーションを以下のとおり比較しました。ただし、以下はあくまで一般的な傾向であり、自身が計画するプランによって異なるので参考程度に押さえておきましょう。

  新築リノベーション
費用面建物にかかる費用比較的高い比較的安い
税制優遇・補助金など普通比較的多い
工事面耐震性などの性能高い普通
自由度非常に高い比較的低い
工期長い普通

なお、具体的な費用や税金、工期の違いについては後述します。

新築は自分好みの間取りや設備をカスタマイズできる魅力がありますが、一方でリノベーションは歴史や風情を感じられる魅力があります。どちらも一長一短があり、最終的な選択は個々のニーズや予算、ライフスタイルなどによって異なります。

新築のメリット・デメリット

まずは、新築のメリット・デメリットから見ていきましょう。

新築の主なメリット

新築の主なメリットは以下のとおりです。

  • 設計の自由度が高い
  • 耐震性が高い
  • 最新の設備を選べる

新築の最大の魅力は、自分の好みに合わせて家を設計できる点です。すべてが新しく、多くのケースで保証が付いているため、メンテナンスの初期費用などがかからない点もメリットの1つです。

また、新築の場合は以下のように更新されがちな建築基準に基づいて建てられるため、耐震性やエネルギー効率の良さも期待できます。

【令和4年改正 建築基準法】
1. 建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し
2. 階高の高い木造建築物等の増加を踏まえた構造安全性の検証法の合理化
3. 中大規模建築物の木造化を促進する防火規定の合理化
4. 部分的な木造化を促進する防火規定の合理化
5. 既存建築ストックの省エネ化と併せて推進する集団規定の合理化
6. 既存建築ストックの長寿命化に向けた規定の合理化

※参考:令和4年改正 建築基準法について|国土交通省

新築は、設備が新しい点も大きなメリットです。機能性に優れた設備を使用することで、快適な暮らしにつながるでしょう。

新築の主なデメリット

新築の主なデメリットは、主に以下のとおりです。

  • 費用が高くなりがちである
  • 完成するまでにある程度の期間を要する
  • 完成するまで実物を確認できない

中古と比較すると、新築住宅は費用が高額になる傾向にあります。なぜなら、土地価格に加えて建築費用や設計費など、さまざまな諸費用が必要となるからです。

また、間取りや設備などのこだわりが多くある人は、それだけ新築に適用する要素が増えるため、さらに高額な費用が発生するでしょう。リノベーションと比較しても、費用の差は圧倒的ともいえます。

新築住宅は、計画段階から実際に住めるようになるまで、数ヶ月〜数年かかることがあります。そのため、完成まで一定の期間を要する点も新築のデメリットの1つといえるでしょう。

さらに、マイホームの完成前には設計図や模型、ネットワークで生成された画像などをもとにイメージするしかありません。完成するまで、自分が理想とする家に限りなく近いかどうかを判断できない点もデメリットの1つです。

リノベーションのメリット・デメリット

次に、リノベーションのメリット・デメリットを見ていきましょう。

リノベーションの主なメリット

リノベーションの主なメリットは、以下のとおりです。

  • 費用が安い
  • 工期が短い
  • 希望のエリアで見つけやすい

リノベーションは中古の物件を購入し、改装することです。そのため、新築でゼロから住宅を建設するよりも費用が抑えられるメリットがあります。

加えて、リノベーションは工期を短縮できる場合があります。既存の建物を活用することで、建築工事や設計にかかるコストを削減できます。

新築に比べて、中古の物件はすでに完成しているので選択肢が豊富です。そのため、特定のエリアに住みたい場合、条件に合う物件を見つけやすいメリットがあります。

リノベーションの主なデメリット

リノベーションの主なデメリットは以下のとおりです。

  • 耐震性が低い
  • 隠れた欠陥が見つかるリスクがある
  • 希望通りに改修できないケースがある

築年数が経過している物件だと、旧耐震基準で建築されていて耐震性が低い場合があります。他にも、老朽化によって耐震性が低下している場合もあります。

そのため、リノベーションにおいては、耐震性を向上させるために構造補強が必要な場合があります。しかし、構造補強は追加の費用や工事期間を必要とし、完全な耐震性能の確保が困難なケースもあります。

また、リノベーションは既存の建物の状態に依存するしかないので、隠れた欠陥による追加費用が発生するリスクがあります。計画通りに進まないことが多く、予期せぬ問題に直面するケースも少なくありません。建物の構造上の制限により、希望通りの改修ができない場合もあります。

新築かリノベーションかを判断するための比較ポイント

新築とリノベーションを表で比較しました。それぞれ順番に解説します。

項目新築リノベーション
費用(※)約5,436万円約3,340万円
税金普通比較的安い
工期3~6ヶ月1~4ヶ月

※参考:令和4年度 住宅市場動向調査報告書(2.4 資金調達に関する事項)|国土交通省

※参考資料は「リフォーム」と表記されているが、明確な定義はないためリノベーションとして記載

新築とリノベーションの費用はそれぞれ、土地を購入した注文住宅と既存戸建住宅の物件費用です。リノベーションの場合は、リフォーム費用が上記に加えて平均206万円かかっています。

ここからは、それぞれの違いをさらに詳しく解説します。

費用の違い

前述した国土交通省のデータを見ると、新築住宅は約5,436万円、リノベーションは約3,340万円の購入資金が発生しています。そのため、一般的に新築住宅の方がリノベーションよりも費用がかかる傾向にあるといえるでしょう。

新築住宅は、土地代から設計・建築費用などすべてを含めるため、総額が高くなります。一方で、リノベーションは壁や床の張り替え、キッチン・バスルームの交換、配管や配線の修復既存の建物などを部分的に改修するので、基本的に低コストで済ませることが可能です。

ただし、リノベーションの範囲によっては、予想外の追加費用が発生する場合もあります。

税金の違い

税金面では、一般的に新築の方がリノベーションより高くなる傾向にあります。

新築の場合、土地と建築物の評価額から固定資産税が課され、この場合は「評価額×1.4%」です。評価額は3年毎に見直されるので、年数が経過すると評価額は減少します。ただし、固定資産税はゼロになることはなく、新築時の評価額の20%が下限とされています。

一方で、リノベーションの場合は増築分の「4%」となります。内装や設備のリフォームであれば、評価額にほとんど影響がありません。ただし、床面積が増える場合は、評価額が上がる場合もあるので注意が必要です。

また、新築とリノベーションにはどちらにも適用できる税制優遇が存在します。そのため、適用要件によってはどちらも大きく税金を抑えることができるでしょう。

<新築住宅に適用できる主な税制優遇>
・住宅ローン控除(減税)
・固定資産税の減額措置
・すまい給付金

  <リノベーション(リフォーム)に適用できる主な税制優遇(補助金)>
・ 省エネリフォーム
・耐震リフォーム
・バリアフリーリフォーム

※参考1:住宅ローン減税|国土交通省

※参考2:新築住宅に係る税額の減額措置| 国土交通省

※参考3:No.1219 省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)|国税庁

※参考4:No.1222 耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)|国税庁

※参考5:No.1220 バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)|国税庁

上記はそれぞれ適用要件があるので、国土交通省や国税庁などの公式ホームページを確認することをおすすめします。

工期の違い

新築の場合、建物をゼロから建てるので基礎工事から始まり、構造体の建設、内装工事、外装工事などの期間を要します。工期は比較的長くなる傾向があり、目安は3〜6ヶ月ほどです。

リノベーションでは、既存の建物の構造や設備を利用するため、新築よりも工程が簡略化される場合があります。そのため、工期の短縮が可能です。目安は1〜4ヶ月ほどです。

新築とリノベーションがそれぞれ向いている人の特徴

ここからは、新築とリノベーションがそれぞれどのような人に向いているのか解説します。

新築が向いている人

好みやライフスタイルに合わせて、建物の設計や間取りを自由にカスタマイズしたい人は、新築が向いています。基本設計段階から、自分たちのニーズに合ったカスタマイズが可能です。

加えて、最新の設備や技術を取り入れた快適な暮らしを求める人には、新築が適しています。新築の建物は最新の建築基準や技術が取り入れられており、快適な居住環境を提供することができます。

新築の建物は耐震性や耐久性が高く、メンテナンスの必要性も比較的低いため、将来の安心を重視する人にとっても適しています。

新築であれば、建物の品質や性能に関する不安を軽減できるでしょう。

リノベーションが向いている人

コストをより抑えたい人は、リノベーションが向いています。既存の建物を活用することで、建築工事や設計にかかる手間やコストを削減できる場合があります。

加えて、既存の建物の風情を大切にし、それを活かして暮らしたいと考える人には、リノベーションが向いています。リノベーションによって、古い建物を新たな生活空間に再生させることができます。

新築かリノベーションかは自分に合っているかで判断しよう

住宅模型とまとめ

新築は耐震により優れ、設備が最新のものです。対して、リノベーションはコストを抑え、工期が短いメリットがあります。

自分好みに建物の設計や間取りをカスタマイズしたい人や最新の設備に囲まれて快適な生活をしたい人は、新築が向いています。

反対に、既存の建物を活用したい人やコストを削減したい人はリノベーションが向いています。

どちらの方が自分に合っているかをよく吟味し、判断するのがおすすめです。その際に、一緒に住む人がいる場合は、しっかりと話し合うことが重要です。

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