家づくり

中庭のある家でよくある後悔とは?失敗しない方法やメリットも解説

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この記事では、中庭のある家で起こりうる後悔について解説します。

中庭のある家は建築費用が高くなるケースが一般的です。また、床面積が小さくなることや生活動線が長くなることなども、よくある後悔といえます。これらの後悔しがちな事例を事前に把握しておくことで、理想の家づくりが実現できるでしょう。

この記事では、中庭のある家で後悔してしまう原因と対策を紹介します。家に中庭を取り入れるメリットやおしゃれに仕上げるアイデアも合わせてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】
そもそも中庭のある家とは?
中庭のある家で後悔する原因と対策
中庭のある家のメリット
中庭のある家をおしゃれに仕上げるアイデア

そもそも中庭のある家とは?

ここでは、中庭のある家とはどのような家なのかを具体的に解説します。

  • 中庭の広さの目安
  • 中庭の形状
  • 中庭の種類

上記の3つのポイントを順番に見ていきましょう。

中庭の広さの目安

家全体の設計や使用目的によって異なりますが、中庭の広さは10〜20㎡程度になるケースが一般的です。家族がくつろげるスペースやガーデニングを楽しむ空間として中庭を取り入れる際に適しています。

都市部の狭い敷地では、5〜10㎡の小さな中庭を設ける場合があります。中庭を広くすれば開放感や取り込める光の量が増しますが、生活スペースやプライバシーとのバランスを考慮することが必要です。

中庭の形状

中庭の形状は、主に以下の3種類です。

形状特徴
L字建物のL字部分に設けた中庭開放感があり、リビングやダイニングからの視界を確保しやすい
コの字建物の3方向を囲んで設置された中庭外部からの視線を遮りつつ、開放的な空間を実現できる
ロの字建物が四方を囲み、中庭が完全に閉じられた形状プライバシー性が高く、静かな空間を作り出せる

それぞれの特徴に合わせて、形状を選択することがおすすめです。

中庭の種類

中庭の主な種類は以下3点です。

種類特徴
コート比較的広めの中庭で、建物内で空間を広く確保できるリビングなどに面しているケースが多い
パティオ石畳などが敷かれた屋外のテラスリビングの延長として使用されることが多い
坪庭  狭いスペースに設置される和風庭園石・苔・竹などで演出され、視覚的な楽しさや静けさを楽しめる

コートやパティオ、坪庭にはそれぞれの特徴があるため、自分の好みに合うものを選びましょう。

中庭のある家で後悔する原因と対策

ここからは、中庭のある家で後悔してしまう原因と対策を見ていきましょう。

  • 建築費用が高くなる
  • 掃除やメンテナンスの手間・費用がかかる
  • 床面積が小さくなる
  • 生活動線が長くなる
  • 断熱性能が低くなり光熱費が高くなる
  • 湿気がこもりやすくなる
  • 虫が寄ってきやすくなる
  • 使用頻度が低くなりがちになる

上記8点を1つずつ解説します。

建築費用が高くなる

中庭を設けると、通常の設計よりも工事が複雑になり、材料費や施工費が増加します。また、外構工事や植栽などの費用も追加で発生し、全体的な費用が高額になるケースがほとんどです。

設計の段階で予算をしっかりと設定し、優先順位を付けてコスト管理を行いましょう。また、中庭の規模やデザインに応じて必要な設備を見極め、外構部分に費用をかけすぎないよう調整することも大切です。

掃除やメンテナンスの手間・費用がかかる

中庭は屋外スペースであるため、落ち葉やゴミが溜まりやすく植物の手入れなどのメンテナンスが必要です。特に、小さな中庭や坪庭は定期的に掃除しないと、すぐに荒れた印象になってしまいます。

コンクリートや石畳などの舗装素材を使えば、掃除の手間を軽減できます。また、定期的に専門業者にメンテナンスを依頼することも検討しましょう。

床面積が小さくなる

中庭を設けると建物の床面積が削られてしまうため、リビングや個室の広さが狭くなり、居住スペースが足りないと感じられるでしょう。

設計段階で、中庭と居住空間の広さのバランスを取ることが大切です。必要に応じてハーフ吹き抜けや小さな坪庭を選ぶことで、生活スペースを確保しながら開放感のあるデザインにできます。

生活動線が長くなる

部屋の間に中庭を設けると、移動に時間を要して生活動線が長くなるケースがあります。特に、家族が頻繁に行き来するリビングやダイニングから中庭を挟んで部屋がある場合、移動を不便に感じるでしょう。

生活動線を短くするためには、中庭の位置や間取りを工夫することが大切です。L字型やコの字型の設計を採用して中庭を囲むように部屋を配置することで、各部屋へのアクセスがスムーズになります。

断熱性能が低くなり光熱費が高くなる

中庭を設けると外壁面積が増加し、家全体の断熱性能が低下するケースがあります。冬は寒く夏は暑い空間になり、冷暖房費がかさむ原因になるでしょう。

中庭のある家では、中庭に面するガラスや壁に断熱性能の高い材料を使用することが大切です。複層ガラスや断熱材を使用したり、シェードや樹木を配置して夏場の直射日光を遮ったりすると効果的です。

湿気がこもりやすくなる

中庭は風通しが悪い設計になると、特に梅雨などの湿度が高い季節に湿気がこもりやすく、カビや結露が発生することがあります。

通気口を適切に設置し、風通しの良い設計にしましょう。また、中庭の排水計画は入念に実施し、水はけが良い舗装材を使用して湿気を防ぐことが大切です。

虫が寄ってきやすくなる

中庭に植栽を施すと、虫が寄ってきやすくなることがあります。特に、屋外に直接つながった中庭は蚊やゴキブリなどの害虫が発生しやすくなります。

虫が好む環境を避けるために、植物の種類や配置に注意しましょう。水はけの良い土壌を使用し、水が溜まりにくい環境を作ることが大切です。また、殺虫灯や防虫ネットを取り入れれば、虫の発生を最小限に抑えられます。

使用頻度が低くなりがちになる

中庭がうまく活用されず生活の一部として機能していない場合、次第に使われなくなり存在感が薄れることがあります。特に、寒暖差が大きい地域では、屋外スペースとして中庭を使用する場面が制限されるでしょう。

日常的に中庭を使用できるように、用途をしっかり計画しておくことが重要です。リビングの延長として使えるテラスにしたり、または子どもやペットが遊べるスペースにしたりするなど、ライフスタイルに合わせた利用方法を考えましょう。

中庭のある家のメリット

中庭のある家は、後悔しがちな事例がいくつかありますが、メリットも多くあります。

  • 家全体に自然光が入って明るくなる
  • 室内の風通しが良くなる
  • プライバシーが確保されたスペースが生まれる
  • 子どもが安全に遊べる
  • 家の中がアウトドア空間になる

ここからは、家に中庭を取り入れるメリットを5点解説します。

家全体に自然光が入って明るくなる

中庭がある家では、家の中心に光を取り込む設計が可能です。一般的に、家は外側の窓から光を取り入れますが、中庭を設ければ家の中心から光が差し込み、家の隅々まで自然光が届きます。

日中は照明を使わずに済むことも多く、電気代の節約につながります。

室内の風通しが良くなる

中庭には、風の通り道としての役割も期待できます。

家の中央にある中庭が窓や扉と連動して風を効率良く取り込むことで、家全体の風通しが良くなります。室内の空気がこもりにくくなり、特に夏場は涼しく過ごしやすくなるでしょう。

プライバシーが確保されたスペースが生まれる

中庭は外部に対して閉じた空間であるため、周囲の目を気にせずにプライベートなスペースとして使用できます。周りに住宅が密集している地域でも外部からの視線を遮れるため、安心して中庭で過ごせます。

近隣の住民の目を気にせずにアウトドアな趣味を楽しみたい人には、中庭がおすすめです。

子どもが安全に遊べる

中庭は子どもの遊び場にもぴったりです。家の前の駐車場とは異なり道路や外部に接していないため、親の目が届きやすく、安心して子どもを遊ばせられます。

また、中庭に遊び場を設けると子どもが屋外で過ごしやすくなるため、活発に体を動かす時間を作れるでしょう。

家の中がアウトドア空間になる

中庭を活用すれば、室内でありながらもアウトドア感覚を味わえます。バーベキューやガーデニングを楽しむなど、日常生活に自然の要素を取り入れられるでしょう。

また、中庭にテーブルや椅子を置けば、家の中にいながら外の空気を感じられるリラックス空間を作れます。

中庭のある家をおしゃれに仕上げるアイデア

ここでは、中庭のある家をおしゃれに仕上げるためのアイデアを見ていきましょう。

  • リビングからつながるアウトドアリビングに
  • 中庭に面する屋内空間を増やして開放的に
  • 自然素材を活用して癒しの空間に

上記3点をそれぞれ解説します。

リビングからつながるアウトドアリビングに

中庭をリビングから直接つながる空間に設計すれば、家全体に開放感を与えられます。大きな窓やガラス扉を設置してリビングと中庭を一体化させて、天気の良い日には屋内外を自由に行き来できるアウトドアリビングとしての活用が可能です。

ここでは、アウトドアリビングの実際の施工例をご紹介します。

<中庭を囲む、勾配天井のある平屋の家(足利市)>

※出典:中庭を囲む、勾配天井のある平屋の家【足利市】丨翼創建

こちらの住宅では、リビングと中庭の間に大きな窓を設けて直接行き来ができるようになっています。中庭にテーブルや椅子を設けて食事や団らんができる空間が実現でき、コの字で囲まれているためプライバシーも確保されています。

さまざまな用途で中庭を活用したい人におすすめのデザインです。

中庭に面する屋内空間を増やして開放的に

中庭に面した部屋を増やして家の中から常に中庭が見える設計にすると、空間を広く感じられて開放的な空間を作り出せます。ダイニングやキッチン、寝室などの主要な部屋から中庭が見えるようにすれば、自然と触れ合う感覚を家の内部でも楽しめます。

ここでは、家の中から中庭が見える家の施工例をご紹介します。

<中庭のある暮らし(佐野市)>

※参照:中庭のある暮らし【佐野市】丨翼創建

この住宅は、リビングやダイニングと中庭の間に大きな窓が設けられており、家の中から中庭の景色を楽しめます。また、中庭に設置したテーブルや椅子を活用して、リビング空間から延長されたアウトドアリビングとしても利用可能です。

自然素材を活用して癒しの空間に

中庭のデザインに植栽や庭木、水などの自然素材を取り入れることで、癒しの空間を演出できます。植栽や庭木で中庭に緑を配置すると、癒しを感じられるだけでなく植物の移り変わりによって、四季を楽しめる空間になります。

また、小さな池や小川など水の流れを採用すれば、本格的な雰囲気が出てより自然を感じられる空間を作れるでしょう。

中庭のある家に関するよくある質問

ここでは、中庭のある家に関するよくある質問を紹介します。

  • 中庭のある家に大雨対策は必須?
  • 中庭でバーベキューをすると迷惑になる?
  • 中庭は屋根ありと屋根なしどっちがいい?

順番に見ていきましょう。

中庭のある家に大雨対策は必須?

中庭には屋根が設けられていない場合が多くあり、大雨が降ると雨水が溜まるリスクがあります。そのため、排水口を設置したり、地面の傾斜を調整して雨水がスムーズに流れるようにしたりするなど、適切な排水設備が必要です。

特に、大雨が多い地域で中庭を設ける場合、雨水が中庭に溜まらない設計を事前に考えておくことが大切です。

中庭でバーベキューをすると迷惑になる?

中庭はプライベートな空間ですが、近隣住宅との距離が近い場合はバーベキューの煙や匂いが迷惑になることがあります。周囲の住宅との距離や風向きを考慮して、バーベキューを楽しむ際には十分な配慮が必要です。

煙を抑えるためバーベキューグリルを使ったり、風が少ない日を選んで開催したりするなど、工夫次第で近隣への影響を最小限に留められます。

中庭は屋根ありと屋根なしどっちがいい?

中庭に屋根を付けるかどうかは、目的や気候によって異なります。

屋根を設けると天候に左右されずに中庭を活用できるなどのメリットがありますが、自然光や風通しが減少するおそれがあります。屋根がない場合は、開放感が得られて風や光をたっぷり取り入れられますが、天候による影響を受けやすいでしょう。

自分のライフスタイルに合わせて選択することが大切です。

中庭のある家で後悔しないためには理由と対策を知ることが大切

この記事では、中庭のある家で後悔する原因や対策を解説しました。

中庭を設ける場合は建築費用が高額になりやすく、断熱性が低下したり湿気がこもりやすくなったりするなどのデメリットが存在します。一方で、採光や風通しが良くなったり子どもが遊べる安全な空間を確保したりできるなど、さまざまなメリットもあります。

マイホームに中庭の導入を検討している人は、この記事で解説した後悔の理由と対策を知った上で、自分のライフスタイルに合わせて広さや採用する設備を検討しましょう。

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