ここ数日涼しい日々が続き、エアコンのない愛車が快適に思えてきた矢先に残暑による天候の裏切りを感じた今日この頃
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
設計の武田です。
早いもので8月も終わりとなります、夏休みのあった方は有意義に過ごせましたでしょうか?
私はお盆にいただいた連休で長野県松本市へ小旅行へ行ってまいりました。
松本への順路ですが、実家である群馬県吾妻郡を中継し
嬬恋村から鳥居峠を経て上田、松本へ向かいました。
実家から上田市真田付近までは一面木々に囲まれたとても涼しく、気持ちの良いドライブとなりました。
(ドアを外した車内より…涼しいですが夕立に怯えながらの旅路です)
そもそもなぜ森林は涼しいのかという点に注目してみましょう。小、中学のおさらいです。
答えは、森林を構成する植物による蒸散効果です。
簡単に説明しますと…植物は夏の強い日差しを受けてもコンクリートやアスファルトのように熱くはなりません。
アスファルトが70度近くになっていても葉の表面温度は35度程度、葉の裏側はさらに2度近く低い温度となっています。
植物が行う光合成は行根から吸った水分と太陽エネルギーを利用しますが、その際には余分な水分を葉から放出します。
この水分が蒸発する際に葉のまわりの熱を奪うため、周囲の温度が下がり、葉の表面温度も熱くならずに
気温よりも低い温度で保たれます。
一般的な植物は太陽から入射する熱のほぼ半分は蒸散に伴い失われます。
蒸散によって冷やされた空気は樹木の下へと下り、その熱の移動が木陰へ微かな風を起こします。
この熱の移動が涼しさのメカニズムというわけです。
思い出しましたでしょうか??
素晴らしい森林!!涼しいので私は森が大好きです。
植物は素晴らしいと思います。『建築に緑を』自分の建築に対する考えの一つとしていきたいと思います。
住宅における植栽の利用方法では、リビングの窓の前に落葉樹を一本植える方法があります。
これは夏の日差しを遮り、冬は葉を落として日差しを室内に取り込むことができる植栽計画です。
昔ながらの、植物の特性を生かした利用方法ですね。
上記で説明しました蒸散による涼しい風を、風向きなどを検討し、住宅内に取り込むことも可能です。
せっかくデッキやお庭があるのに、夏に窓を開けても熱風しか入ってこないのでデッキや庭には出ません!!
ではもったいないですよね。
私は田舎育ちで360度山が見えるところで生まれ、約20年近く生活していましたので緑があることが当たり前でした。
しかし、家を出た今、緑の必要性や利用価値を強く感じます。
(私の部屋の窓からの光景…網戸が映り込んでしまいました。)
例年、夏は猛暑となっています。
そして…『暑いのでエアコンを使用する→電気使用量が増える→発電所による発電→CO2の発生→温暖化』の
負の連鎖が起きているのは事実だと思いますし、各ご家庭での夏の光熱費が高額になってしまうのも事実です。
私たちができることは、エアコンの使用時間を少なくする方法、設定温度を低く抑える方法を検討、提案することです。
地球に優しく、お財布にも優しい。これを実現するための要素の一つが植栽だと思います。
また、植栽を計画した住宅が集まり町を形成することで、町の温度が下がり
夏は過ごしやすくなるのではないかと思います。
さらに涼しくなるという効果だけではなく、視覚的にも深く強い緑や、明るく鮮やかな緑が
住宅、町へ彩りを与えてくれるはずです。
庭に緑があることで生活に華やかさや、豊かさ、優しさが生まれてくるのではないのでしょうか。
住宅を検討されている方は建物のみに目を向けがちですが、お庭や外構にも目を向け
緑のある、より豊かな生活をイメージしてみてはいかがでしょうか?
武田でした。
ちなみに実家は8月でも夜は20度を下回ります。実家にはエアコンがありません。快適!!